当社では、長期ビジョンとして『「顧客満足」の一歩先へ』を掲げております。
企画/業務分析から開発そしてシステム運用までを一つのITサイクルと考え、このサイクルの中で潜在的なニーズを発見し、解決する事で、お客様の新たな価値に繋がると考えています。
デジタルトランスフォーメーションへの取り組みが加速している中、これまでに培ってきたDXノウハウを自社のDX化にも推進し、高品質かつ高度化を意識して発展させていきます。さらに、この経験と知見をベースに、DXによって大きく成長を図り、顧客の価値向上につながるサービスを提供し、社会貢献に繋げてまいります。
株式会社アイセル
代表取締役社長 草川麗子
本内容はデジタルガバナンス・コード3.0(経済産業省)に準拠しています。
ビジネス環境は、デジタルトランスフォーメーション(以下DX)への取り組みが加速しており、当社においても、お客様のDX推進における価値創造をしていくパートナーとして、受け身のシステム開発や単なる情報技術の提供でなく、お客様の潜在的な課題とその解決策を見出し提案していくような新しい方法での顧客貢献サービスの実現を目指す為に自社のDX推進が必要であると考えます。
当社では、高速システム開発とExcel等の既存データ活用が可能なローコードツールによるアジャイル開発支援サービスによって、顧客の業務の標準化やデータ共有に貢献していくことをめざしています。また、経営環境の変化をスピーディーに把握できるBIツールの活用などDX関連技術を積極的に習得することによって、自社のDXを推進して高度化するとともに、新しいビジネスモデルを考えながら事業を成長させていきます。
お客様の顕在ニーズだけでなく、「お客様のお客様のニーズ」や「活用されていないデータの活用」など潜在的ニーズをも引き出しお応えすることで、お客様の「満足」から「一歩先の満足」を感じて頂けるようなサービスをご提供し、ITを通してお客様の価値向上が実現できるパートナーとして取り組んでまいります。
1.顧客に対するDXソリューション活動/SoE(顧客関係のシステム)
顧客のSoE(関係のためのシステム)やSoI(分析のためのシステム)支援のため、高速システム開発とExcel等の既存データ活用が可能なローコードツールによるアジャイル開発支援サービスによって、顧客の業務の標準化やデータ共有に貢献します。また、アジャイル手法、ローコードツール、BIツールなどの自社内での先行導入や教育訓練といった活動を積極的に進めており、顧客提示のシステム要件にもとづき開発請負する受け身のビジネスモデルから、DX推進パートナーとして顧客とともに業務改善や経営革新に取り組むといった自発的なビジネスモデルへと確実にシフトしていきます。
2.社内における業務改革/SoR(記録のシステム)
自社におけるSoR(記録のためのシステム)の効率化のために、社内業務の特性に合ったクラウドパッケージソフトを選定し、積極的に導入・運用しております。具体的には、次の4つの施策が挙げられます。
Excelファイルなどバラバラになっていた事業部門および案件別の収益管理データをクラウド上で統合した事で、統一したルールで集計ができ、収益の見える化を実現。顧客の状況をリアルタイムに把握することで、迅速に戦略的な対応を可能にしました。
事業部門が保有する管理会計データと財務部門が保有する財務データを統合することによって、予算実績分析だけでなく予算と足元の見通しを比較し、目標までのギャップをタイムリーに把握し経営判断に活用しています。
グループウェアを活用した社内ポータルの構築をし、分散していた各情報を集約した結果、社内の規程や社内情報にアクセスしやすくなりました。
社内の経費や申請および承認処理を紙で行っていた業務を、ワークフローツールを活用し、ペーパレス化に取り組んでおります。今後は、ビジネスプロセスの整理を行う事で業務の効率につなげます。
3.社内におけるデータ活用/SoI(分析のためのシステム)
社内業務において、DMP・BIによる社内データの標準化とデータ統合を行う事で、営業活動及びシステム開発プロジェクト活動における、それぞれのプロセスの見える化によりデータが集約され、KPI測定と傾向分析といった推進活動が可能となり、DX人財の育成にも寄与するものと考えており、最終的には顧客の課題から新たな価値創造の提案へとつなげていきます。
当社では社内横断的にDX推進を実行するチームを、代表取締役の直轄のもと編成して推進しております。全体的な取組を重視する為、各事業本部から1名以上のメンバーを選抜し発足しております。
顧客業務に精通し、デジタル技術にも精通することによってはじめて貢献度の高い問題解決策を提案することができます。そのために、業務に精通した営業人財とデジタル技術に精通した開発人財の育成・確保に努めるとともに、営業人財と開発人財とが同じプロジェクトでチーム連携する組織へと変革していきます。具体的には、営業部門は保守・運用プロジェクトにも参画し、提案営業のための体制強化を図り、開発部門はソリューション企画や客先提案に積極参画していきます。
また、より貢献度の高い顧客価値を創造していく上で、部署間の壁を越え、ビジネスパートナーとの壁を越え、さらには顧客との壁を越えていく必要があります。そのためには、既存の枠組みにとらわれることなく、当社の経営ビジョンである「顧客満足の一歩先へ」を共有できる仲間を増やしていきます。そのために、経営トップが旗振り役となり、DX戦略を策定・実行するとともに、部門リーダーに対しては、自部署の担当業務や体制に縛られない行動をとるように指揮しています。具体的には、自部署にないノウハウやリソースを活用するために、社内協業やビジネスパートナーや顧客とのコラボレーションを積極的に進めています。
人財育成については、DX研修だけでは実践的なDX知識やスキルを身につけることは難しいため、営業や開発、管理など各部門ごとの業務活動そのものをDX化する実践的なOJT教育も取り入れています。人財確保についても、単に優秀な人財を待っているのではなく、社内勉強会の社外公開や、エンジニア向けコンテンツサイトの立ち上げなど、積極的に人財が集まるようなしかけづくりに取り組んでいくことを考えています。
当社のITシステム・デジタル技術活用環境については、SoE、SoR、SoIの3つの領域に分けて整備方針を策定しています。
顧客向けにはシステム開発サービスやクラウドパッケージソフトを提供していますが、顧客とのコミュニケーション手段としてはWebサイトや電子メールの利用にとどまっています。今後の整備方針としては、以下の3つの取り組みによって顧客関係の強化を進めていきます。
(1)アジャイル開発による顧客との協業
(2)クラウドパッケージ提供による保守軽減
(3)CRMによる顧客関係の強化
業務の効率化や帳票作成といった従来のITシステム(SoR)に対して、BIツールやコラボレーション ツールを導入することによって、ITシステム上のデータを事業計画や業務管理のために分析、活用できるしくみを実現しています。
オンプレミスでスクラッチ開発している社内システムが一部残っていますが、保守の手間や陳腐化が懸念されるため、クラウドパッケージやローコードツールによる再構築を検討し、クラウドパッケージ利用による保守軽減を推進します。
DMP・BIによる社内データの標準化と統合を各活動プロセス毎に推進していきます。
(1)営業活動プロセス・・・SFAツールの活用による顧客管理と営業進捗状況の見える化による予材管理を実現しており、これらのデータに対してBIツールを活用することにより、傾向分析の実施を強化します。
(2)開発活動プロセス・・・WBS活用により標準ルールで活動プロセスの見える化を実現しております。また、収益管理ツール・BIツールの活用により予実管理から将来予測に活用し、品質向上を進めていきます。
顧客向けの営業活動、社内における業務改革、社内におけるデータ活用の3つのDX活動領域について以下の重要業績指標(KPI)を測定、管理しています。
(1)アジャイル開発支援サービスの提案件数
(2)クラウドパッケージ提供の提案件数
(3)CRMへの登録顧客数
(1)統合したExcelデータ数
(2)ペーパレス化した帳票数
(3)ワークフローツールが利用できる社員数
(1)BIツールの利用者数
(2)見える化された営業活動による引合い率と受注率
(3)見える化された開発プロジェクト数とEVM管理できた顧客数
当社におけるDX推進に向けた戦略及びその推進状況については、経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0」にもとづき、当社Webサイト上で「DXに関する取り組み」として、タイムリーに情報発信及び更新をしていきます。
IPA(情報処理推進機構)の「DX推進指標自己診断フォーマット」及び「自己診断結果入力サイト」を利用して、定期的に当社のDX推進状況について評価します。その際、評価漏れや不適切な評価が行われないように、技術士や情報処理安全確保支援士などの専門家によるDX診断を受けて、適切な課題把握が行われるようにします。
当社はISMS/ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)及びプライバシーマークの認証を取得済みであり、顧客からお預かりした個人情報や機密情報を保護するために組織的対策や人的対策、技術的対策、物理的対策を全社的に展開しています。
今後の顧客及び社内におけるDX推進においては、利用する新たなデジタル技術に関わる脅威や脆弱性、及びその適用業務の特性を十分に把握した上で、既存対策の有効性評価を含めて情報セキュリティ対策の強化に取り組んでいきます。特に、多種多様なWebサイトの構築やローコードツールを利用したシステム開発、IoT機器のクラウド連携など、当社が推進強化を図っていきたい分野については、適切な情報セキュリティ対策と合わせたサービス提供を図っていく所存です。