【日本テクノ様】電気保安管理のDX化を促進ーiPadを活用して管理業務と現場技術者への支援を両立

  • 開発実績

日本テクノ株式会社

電気に関する総合サービスを提供する日本テクノ株式会社様。
主力事業のひとつである電気保安管理の現場では、「紙に手書きしている点検報告書」が課題となっていた。
その課題をITで解決すべく、アイセルに受託開発を依頼された。

これにより日本テクノ社の業務がどのように変わったのか?
現場の電気管理技術者には何を提供できたのか?

このプロジェクトに携わっていただいた、日本テクノ社で保安点検における電気管理技術者の管理とそのサポートを担当されているお二人にお話を伺った。


技術本部 システム戦略部 寺門様  /  保安本部 協力会支援課 小澤様

開発概要 電気点検簿システム
開発期間 6ヶ月
要素技術 Java,Swift,Vue.js,Box

日本全国6万件の設備を点検する電気保安管理・点検

同社は電力小売と電気保安管理・点検、電力コンサルティング、電気料金自動検針システムなどを事業としており、多数の電気エネルギーに関するサービスを通じて日本の経済を支えている。
中でも高圧受変電設備(キュービクル)に設置する主装置ES SYSTEMの設置件数は全国で60,000件超。
民間の電気保安管理受託数でNo.1の実績を築き上げている。(※1)

 

主装置ES SYSTEMは停電・漏電などの異常のほか、電力の使用状況を測定・分析し、電気の使い過ぎをお知らせする省エネのための機能も併せ持つ。
こういった電気設備の保安点検を行うのが「電気保安管理・点検」である。
電気保安分野では、日本テクノ協力会・日電協(以下、協力会)に所属する約1,300名の電気監理技術者・電気主任技術者が活躍しており、
町工場・コンビニエンスストア・オフィスビルなど、全国に散らばる顧客の電気設備を点検している。

 

「当社は電気保安管理の民間への市場開放に先鞭をつけたパイオニアとして、電気に関する幅広い事業を展開し、電力というインフラを全力で支えています。
点検現場も技術者も全国各地にあり、点検精度の向上やより合理的な仕組みを作るためには、点検報告書の電子化が必要でした。」
(寺門様、小澤様)

従来の報告書作成では、複写式の用紙に手書きするアナログ的手法だった。
そのため、担当者ごとに内容のばらつきがあったり、管理のための作業に手間がかかったりしていた。
さらに過去3年分の保管が義務付けられているが、保管場所の確保はもちろん、必要な時に素早く閲覧できないといった問題もあった。

 

”管理者・現場技術者双方の負担を軽減したい、プロジェクト管理側が保安点検の状況を素早く確認したい。”

そういった中でIT、オンライン、iPadを活用した点検報告書の電子化―電気点検簿システムの導入検討が進められていった。

※1 (株)矢野経済研究所調べ・2016年8月現在

パッケージのカスタムから、フルスクラッチ開発へと方針転換

保安部ではかねてから点検業務の電子化の検討が進められていた。
当初は既製のパッケージソフトウェアをカスタマイズする方針であり、このカスタマイズをアイセルが担当する予定だった。

「ヒアリング段階で重視したのは、”本当の要件を確認すること”でした。」(近藤)


株式会社アイセル
エンタープライズソリューション部 近藤 

パッケージ製品が念頭にあると、「この機能のこの画面をこうしたい」といったイメージができてしまっていることも多い。
ところが現実的には仕様上実現が難しかったり、パッケージに合わせるとその裏で業務が増えてしまったりということもあるためである。

そうして要件を確認していく中で、パッケージ製品とのミスマッチが多く発生したため、スクラッチでの開発をすることとなった。
その際、アイセルが要望のヒアリングを行っていたこともあって、日本テクノ社より直接開発のご依頼をいただくこととなった。

   

同社が開発にあたってアイセルに要望したのは、「現場での入力が楽にできるように配慮してほしい」、「点検実施に漏れが出ないよう帳票の見せ方などを工夫してほしい」などであった。
実は電気管理技術者の平均年齢は68歳。そのため開発時には高齢でも利用しやすいUIを心掛け、文字サイズ・色・配置などもiPadアプリの標準デザインから逸脱しても似やすさを優先した設計を行った。
他にも紙作業の際に利用していた帳票の見た目を踏襲し、作業時の違和感を軽減。
すべての画面が拡大表示可能となっており、見えなくて困る、といった状況を避けるための工夫などを凝らした。

 

 

「いろいろと要望を出したが、プラスアルファで提案を出してきてくれた。
複数の提案の中からよいものを選んで作れている、という感覚がありました。」(寺門様)

工夫したUIに好感触、作業工数も50%低減

完成した電気点検簿システムは、日本テクノ社の他システムとも連携しており、社内システムから点検報告書を確認できる仕組みを構築できた。
用紙に記入する手間もなくなり、さらにお客様が点検報告書をネット上でいつでも手軽に確認できるようになった。
ところが、いざ導入・・・という段階においては、現場の技術者からは厳しい反応もあった。

 

「操作性の不安や、IT化に対する精神的なハードルから否定的な声もありました。
これには電話やメールでの丁寧なサポートと、操作説明会を行うことで対応し、徐々に受け入れてもらえました。」(小澤様)

 

同時に他社製のAIチャットボットも活用し、技術者からの問い合わせを自動化したことでいつでも不明点が理解できるようになったため、電気点検簿システムの評価が高まってきたとのこと。
社内の他部署からも関心が寄せられ、機能についての問い合わせがあるほどだ。

  

最近は現場の技術者から「慣れると楽でいい」、「思ったより簡単だった」という声を多く聞けるようになったという。
内容のばらつきや文字の見にくさがなくなり、関係者が報告内容をリアルタイムで確認できるようになった。点検報告書の記入工数が50%低減できた。
保安部では100%導入され、電気監理技術者は1,100名ほどが利用している。
効果が目に見えたことから、同社ではiPad利用の成果の大きさを実感しているようだ。

 

「技術者のリソースが減ってきており、高齢化の問題もある。
これからも技術者をサポートするための機能を充実させていけるように、末永くお付き合いさせていただきたい。」(寺門様、小澤様)

 

電気エネルギー業界は、アナログ的な作業をしていた同業他社でもIoT化が進められている。
デジタルトランスフォーメーションの関心が高まっており、世の中の流れも変わりつつある。
アイセルは、今後もシステムの使いやすさおよび技術者が働きやすい基盤づくりのため、同社のサービス向上を支援したいきたい。

 

 


今回は、「従来の紙作業の電子化」や「業務の見える化」など、オンリーワンのシステムを実現することができました。
コミュニケーションを大切にする姿勢はもちろんですが、
お客様にとって”本当に必要とされるシステム”とはなにか、一緒に、丁寧に考えてシステム作りをしています。
今後もアイセルのDXにどうぞご期待ください!